モザンビークに柔道を広めたい―。愛媛大大学院農学研究科の留学生ムタティセ・アゴスティーニョさん(31)がこのほど、柔道の有段者に与えられる黒帯を取得した。研究に打ち込みながらの2年間の修練が結実。22日の帰国を前に「柔道で学んだ体力や精神力をモザンビークの未来をつくる子どもたちに伝えたい」と意気込んでいる。
 同国の大学教員で農業が専門のアゴスティーニョさんは、政府主導の留学生受け入れ事業の一環で2014年9月に来日。愛媛大で食料生産や農業経営を学ぶ傍ら、日本文化への理解を深めようと柔道を始め、週2回の練習に励んできた。
 8月末の昇段試験では筆記と形、試合の試験をクリア。形では手技、足技、腰技の左右計18の技を披露し、審査員の高評価を得た。
 帰国後は柔道教室を開き、休日に子どもたちを指導するという。アゴスティーニョさんは「柔道は礼に始まり礼に終わる。日本人の思いやりの精神を学ぶことができ、自信もついた。モザンビークの将来のリーダーになれるよう頑張りたい」と決意を新たにした。